Walls Tokyo Art Collection / feat. 六本木百合香 《 新世界 ーA NEW WORLD 》
展示予定作品:六本木百合香、KAWS、Julian Opie、蜷川実花、ほか
2022.12.15 thu - 2023.1.21 sat
芸術作品がなしうることは、われわれに判断させ、一般化させることではなくて、何か特定なものを見せ把握させることである。
――スーザン・ソンタグ 『反解釈』より(※)
六本木百合香氏は、東京藝術大学でデザインを専攻。日本画家の中島千波氏の指導を受け、画家の道を歩み始めます。
以来、都内での個展、グループ展に多数参加する他、KAIKA TOKYO AWARD 2022にて大賞を受賞するなど今最注目の作家です。
唐突に現れ、画面上を我がもの顔で闊歩する獅子頭やピットブル。六本木氏の絵画に登場するモチーフは、描く直前に頭の中に現れたものだといいます。
殆ど即興のようなかたちで描かれたものであれ、渋谷に集まる若者へのインタビューを元に制作されたものであれ、「今」を生きる自分の(他者の)発露こそが彼女の絵画であるといえるのではないでしょうか。
制作上のロジックやコンセプトとは距離をおく彼女の作品を解釈することはほとんど不可能といってよく、観るものは自己というフィルターを通すことなく作品と対峙することになります。
そうして見渡す絵画空間は、高揚感に満ちた新世界として輝きはじめるのです。
描くことは生きること-画面からそんな言葉が聞こえてくる六本木百合香氏の絵画を中心に、Walls Tokyoのコレクションより抜粋した作品と併せ、展示・販売いたします。
※ソンタグ,スーザン(1996)『反解釈』 高橋康也ほか訳 筑摩書房