「CHANNEL」
谷正也 Masaya Tani
2019.3.27 wed - 4.27 sat
この度、WALLS TOKYOでは、谷正也(たに・まさや)の個展を開催する運びとなりました。 本展のタイトルである「CHANNEL」は、作家自身の身の回りにある風景を複眼、多角的な視点により捉える事を示唆しています。 谷が描き出すのは、造花や公園といった人間が作り出した自然の代替物や、うねるような線、アウトライン、 増殖を繰り返すかのようなサイケデリックな抽象表現。ネオンカラーで描かれた、溢れんばかりに生い茂る樹や、我勝ちに咲く花。 それらは、過度な画像処理を施されたかのように、奇妙に人工的な風合いを帯びています。 近作の様々なイメージがパッチワーク状に交錯する画面は、 まるで私たちの日常となったスワイプする事で切り替わる目の前の風景のようでもあり、 氾濫するイメージをかき分けるようにして「リアル」を探し当てようとする行為そのもののようでもあります。 事実と虚構が複雑に絡み合う世界は、テクノロジーによってさらに不可分なものとなり、 人工的に作られた自然の「チープさ」と自然本来の持つ「崇高さ」の隔たりは消滅する。 このような視点は、谷自身が編集ソフトを駆使することで、その先にある絵画表現を意識してきたことと、無関係ではないでしょう。 田舎町は急速に過疎化が進み、かつては活気に溢れていた場所が朽ちていくという「現実」の中で、 手の中にあるガジェットは「今」を絶え間なく更新し続ける。 自然であれ、人工物であれ、変化し続け、制御不能な、強大な力を持っている。 そのことに気づいたとき、我々の目の前にふと目眩しのような風景が立ち上がってくるのではないでしょうか。 WALLS TOKYOで2回目の個展となる本展では、新作約15点を展示。新シリーズに加え、これまでに発表してきたシリーズも併せて展開します。