Introducting Artists
About
Kishio Suga
菅 木志雄
1944年岩手県盛岡市に生まれた菅木志雄は、1968年に多摩美術大学絵画科を卒業。1970年前後より美術運動「もの派」の中心アーティストの一人として活躍してきました。石、鉄板、ガラス、綿、紙、木、ワイヤーといった素材を用い、それらを空間に配置することで「ものー空間」の関係性を構築し、物質性をあらわにした「風景」の生成を試みています。多摩美術大学在学中に斎藤義重と出会ったことで、伝統的な美術から解放された表現方法、パフォーマンスやハプニングといった当時最新のアートムーブメントを知ることとなり、これまでの芸術的発想にはない新たな表現方法の模索へと向かうことになりました。菅は自身のパフォーマンスやイベントを「アクティベーション」と呼んでいますが、これは、「実際に作ること」と「人間の行為性」の結びつきを検証するものであり、自分の行為性とそれに付随してくるものの在り方を中心として創作するということを意味しています。 西洋美術史的な文脈においては、イメージ(観念)が先行し、それを元に「もの(具体的)」が生まれるとされることが多いですが、菅はこの考え方に対し、「イメージに先行してすでにものが存在しているではないか」として、ものの存在性、実存ついての考察がなければアート作品は生まれてこない、つまり、「もの」が先に存在し、それ自体の実存を考えることがアートの出発点であるとしました。 それは、自身の制作について語る彼の『「何かを表していく」とは言うけれど「アートを作る」と言う意識はほとんどない』という言葉にも表れています。
Biography
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