INTRODUCTING ARTISTS
Joseph Beuys
ヨゼフ・ボイス
1921年、ドイツ、クレーフェルト生まれ。幼少期の頃より芸術は勿論のこと、ピアノやチェロなど才能にも恵まれた。また彼の興味は、芸術、北欧の歴史や神話、自然科学など、多岐にわたる。1840年に通信兵として第二次世界大戦に従軍している最中に北のクリミナ半島で墜落した。負傷していた所、タタール人の手当により救助される。その時に、タタール人が傷の手当てに用いた脂肪やフェルトがのちに彼の彫刻作品のモチーフになっている。脂肪やフェルトを美術のモチーフとして扱うのは非伝統なことであり、新しい表現のために彼が探求して辿り着いたものである。脂肪やフェルトは熱によって変化したり、保持したりするという特徴がある。熱というのは生命の象徴であり、生死を彷徨っていたボイスがこの脂肪やフェルトによって回復したという彼自身の経験から選ばれたモチーフだと言えるだろう。彼は当事者意識を持って、より良い社会を実現するために行動することは社会彫刻であり、また「人は誰もがアーティストである」という言葉を残している。彼自身も樫の木を7000本植えるアクション活動、学生運動の支援、緑の党に自身が立候補するなどの社会活動に積極的に参加した。
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