石井 亨
1981年生まれの石井は伝統的な友禅染*の技術や歴史を学び、東京藝術大学大学院修士課程工芸染織専攻修了。
石井は友禅染を実用品としての工芸からビジュアルアートへと応用させます。従来の模様とは異なるところどころに作家のユーモアが溢れるポップで大胆な構図、目が覚めるほど鮮やかな色彩、その独特で圧倒的な存在感に強く惹きつけられます。イギリス留学を転機に、自らのバックグラウンドとしての日本文化や伝統芸術を基盤とした制作をスタートさせます。モチーフは主に、現代日本社会の象徴“サラリーマン”、そしてそこからさらに視野を広げた“都市”へとテーマが移り変わりました。いずれも作家が日常生活を通して見つめた現代社会を反映しています。伝統工芸を現代美術へ転換するという、独自の革新的な芸術を展開させています。