常田泰由
Yasuyoshi Tokida
私の作品は、ほんの小さなドローイングから始まる。それは、写真や印刷物も含めた、そこにあるもの形を見て、ほんの数秒のあいだに描いたごく簡単なもので、いくつかのルールで描かれている。これら線のドローイングは、自分でも理解しきれない小さな作品のきっかけである。描いてからしばらく時間が経ち、忘れた頃に再び選択され、それらがいくつか集まることで、やっと「かたち」となり、はじめて木版画の作品になる。つまり、時間をかけて、距離をとりながら、それらと関わっていく過程が私の制作なのである。
近年は、これらのドローイングに加え、彩色した紙を切り抜き並べた、コラージュ作品、そのコラージュをもとにした木版画作品も制作している。